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2019年8月2日金曜日

「人生100年時代の年金戦略」(田村正之著)

青井ノボルです。

人生100年時代と言われるいま、老後生活へ備える必要性が高まっています。
長寿化に伴い、これまでの常識がそのまま通用しなくなる時代となります。

「年金2,000万円問題」が世間を大きく賑わせたのは記憶に新しいところ。
日本人の老後生活を、年金がすべて面倒を見てくれるというのは夢物語。

「年金は破綻するから保険料を払うのは無駄」という極端な思想も危険。
正しい知識を正しく身につけておく、そして自分の意志で選択すること。

個人個人で事情は異なりますし、自分で考えて行動するほかありません。
公的年金制度を正しく理解することは、自立への第一歩となるでしょう。

この記事では、日経新聞の田村さんが書かれた「人生100年時代の年金戦略」を読んだ感想を書いていきます。

年金初心者でも読みやすい

本書は、最初から最後まで公的年金制度について書かれています。
ただ小難しい表現は少なく、平易な言葉で分かりやすい印象です。

公的年金制度は複雑なので、分かりやすくするのは難しいところ。
それでも具体例を示しながら解説するなど、工夫をされています。

マスコミやネットニュースでは、年金不安を煽る傾向にあります。
「年金2,000万円不足問題」も、センセーショナルな報道でした。

ただ、公的年金制度の実態を適切に把握した報道とは限りません。
こうした雑音に囚われることなく、事実を丁寧に説明してくれる。

公的年金制度を正しく理解するため、知識が無くても読みやすい。
年金マニアはもちろん、初心者の方にこそ読んでもらいたいです。

年金受給額は自分の選択が決める

前述の通り、本書は年金制度について丁寧に解説してくれる良書です。
老齢年金だけではなく、遺族年金や障害年金の存在にも触れています。

公的年金は保険である、という基礎知識はまず押さえておきたいです。
そして税金も投入されている制度ですから、正しく理解して活用する。

この姿勢が大切であるということについて、一生懸命に説いてます。

この本の最大のメッセージは、「いくら公的年金をもらえるかは自分の選択で決まる。なるべく多くもらえる仕組みを頭に入れ、実行しよう」ということです。
(引用元:人生100年時代の年金戦略P19)

年金保険料を払っていれば、いずれ貰えるという側面もあります。
ただ、保険料の払い方や年金の受取方法を選択する余地もあって。

いまある年金制度を賢く使う、そのためには知識が必要です。
そして前提となる知識を得たうえで、自分がどう選択するか。

将来の年金受給額は、自分で決めると言っても過言ではないです。

共働き夫婦が気を付けたいこと

ワタシは5人家族のサラリーマンで、妻は現在は専業主婦。

第1子が生まれた後も時短で働いていましたが、退職して。
そろそろ復帰しようということで、働き方を模索中です。

おそらく来年には共働き夫婦となり、いずれはフルタイム。
2人で働くと、収入源が2つとなり家計は安定するでしょう。

ただ、家計を支える働き手に万が一のことがあったときに。
収入減は避けられないので、保険などで備える必要もある。

ここで「生命保険に加入しなきゃ!」と焦る必要は無くて。
公的年金制度の遺族年金を正しく知っておくことが大切に。

以前遺族年金について勉強したことがあり、大枠は知っています。
改めて感じたのは、妻の死亡時の遺族年金は少ないということ。

ともかく会社員の場合、子供の有無にかかわらず、妻の死亡時の遺族年金は薄いといえます。夫婦が同じような年収で家計を支える状況なら、妻が死亡した場合の影響のほうが大きいということです。
(引用元:人生100年時代の年金戦略P169)

共働き夫婦で年収が同程度だったとしたら、妻の死亡時は家計が厳しい。
となると、夫ではなく妻の生命保険を厚くすることも一つの考え方です。

もちろん、生命保険に加入するのであればきちんとシミュレーションを。

無料で使用できるツールもあるので、まずは自分で計算してみましょう。

注目が集まるiDeCo

先日、日本経済新聞に掲載されたiDeCoの記事が話題になりました。

個人型確定拠出年金のiDeCoも、年金制度の一部となっています。
選択肢が増えるのなら良いことですが、実現可能性は不透明です。

本書ではiDeCoについても、後半部分でしっかりと触れています。
拠出や口座維持に手数料が発生してしまうものの、良い制度です。

年単位拠出が解禁されて、いまでは年1回の拠出でもOKとなって。
拠出手数料を削減するために、年単位拠出を選択する人もいます。

本書では、このことについて下記のように書かれています。

ただし、この金額の節約を狙って回数を減らすのはおすすめできません。積立で高値づかみのリスクを減らして投資をするほうが大事だからです。
(引用元:人生100年時代の年金戦略P231)

iDeCo口座で運用する商品が、定期預金などであれば無関係ですが。
株式投資信託などリスク商品の場合、この視点も大切だと思います。

老齢年金やiDeCoの受け取り方

老齢年金の受給開始時期をどうするか、選択肢の幅が広がっています。
ワタシが受給開始する頃には、無数の選択肢があるのかもしれません。

iDeCoについても、受け取り方法として複数の選択肢が考えられます。
受け取り時に使える退職所得控除と公的年金等控除は押さえたいです。

ワタシの場合、恐らく年金受取で公的年金等控除額をフル活用する。
65歳未満は70万円、65歳以上は120万円の控除枠を活用しそうです。

ただ、受け取り時の税制がどうなっているかは予測不能です。
出たとこ勝負ですが、その時に改めて勉強しようと思います。

年金の勉強をはじめるのに最適

公的年金制度を何故フル活用すべきなのかを理解すること。
その意味でも、本書は最初に読むべき本なのだと考えます。

公的年金制度を解説している本は、他にもあります。
例えば権丈先生の書籍は、社会保障全体を学べます。

公的年金制度について知りたい場合は、まずは本書がオススメ。
というのも、具体例も多くて理解しやすい構成となっています。

2冊目に権丈先生の本を読む、というのうが良いと思います。

年金について、少しでも勉強してみようと感じたら。
ぜひ本書を手に取り、読んでみてはいかがでしょう。

2019年5月12日日曜日

「投資の大原則」(バートン・マルキール、チャールズ・エリス著)

青井ノボルです。

投資でも、書籍を通じて体系的な知識を得ることは有益なこと。
インデックス投資には、古典と言われる有名な書籍があります。

バートン・マルキールの「ウォール街のランダムウォーカー」。
そしてもう一冊、チャールズ・エリスの「敗者のゲーム」。

そのマルキールとエリスによる共著が「投資の大原則」です。

投資において大切なことを、分かりやすくシンプルに書かれていて。
投資初心者にも読みやすく、そして理解しやすい内容だと思います。

この記事では、「投資の大原則(第2版)」を読んだ感想を書いていきます。

すべてはお金を貯めるところから

本書は投資について分かりやすく簡潔に書かれている点が特徴で。
老後に向けた資産形成に主眼を置いて、投資を解説してくれます。

ただ、投資をするためには手元にお金が無いと始まりません。
全てはお金を貯めることから始まって、貯蓄が基本なのです。

節約してお金を貯めるために、どんな考え方をすべきなのか。
基本中の基本なのですが、本書では丁寧に解説されています。

若い頃からの蓄えがない人にとって、
それでも老後を金銭的に安定したものに
するための基本ルールとは、
「今すぐ節約を始めよう」である。
(引用元:投資の大原則P56)

つつましく暮らしながら、カードローンなどを避ける。
経済的に安定するためのルールを守るのは大切ですね。

シンプルな投資法で広く分散

マルキールとエリスの共著なので、オススメはインデックス投資。
何故インデックス投資なのか、分かりやすく解説してくれます。

また、広く分散することの重要性についても書かれています。

証券の種類、市場にわたって
幅広く分散投資をしよう。
時間分散にも注目。
(引用元:投資の大原則P90)

資産形成は広く分散されたインデックス投資をやりましょう。
そう書きつつも、完璧な人間などいないとも書かれています。

バフェットのバークシャー・ハサウェイに入れ込んでいたり。
成長株となりそうな、中国の個別銘柄に投資をしていたり。

馬鹿げていると自分で認めながらも、人間味がありますね。
ただ、資産形成の中心はインデックス投資であるようです。

予測をしないで大失敗を避ける

ワタシがインデックス投資の中で最も重要視していること。
それは、投資判断をする余地を徹底的に排除することです。

本書でも、市場予測は考えに入れない方が良いと書いています。
ミスターマーケットに惑わされてはならない、という話ですね。

資産運用に携わる人は市場予測に振り回されてはならない。世間で「専門家」と思われている人の予想であっても、あてずっぽうと大して変わらない。JPモルガンの創業者、モルガンは「株は今後どうなるか?」と尋ねられたとき、「変動する」と答えている。まったくそのとおりだ。
(引用元:投資の大原則P113-114)

将来の相場変動は、残念ながら個人予測はあてになりません。
それよりも、コントロールできる部分に注力すべきでしょう。

低コストなファンドを選び、リターンの下落を最小限にする。
投資判断ミスによる大失敗を避けることは、意外と重要です。

暴落期でもあてはまる大原則

投資の大原則(第2版)を発刊するにあたり、追加された最終章。
どんな相場環境であっても、投資の大原則は大事という話です。

リーマンショックでも、分散投資やリバランスは大切だった。
ドルコスト平均法でコツコツ積立投資するのは、有効だった。

そんな話が書かれていて、シンプルな投資を後押ししています。
そして「忍耐力と継続こそが大事」という言葉も印象的でした。

相場変動に惑わされず、シンプルな投資を続けるのは大変なこと。
一喜一憂しない精神で、周りの雰囲気に流されないのが肝要です。

投資初心者の1冊目に良さそう

インデックス投資について、しっかり勉強してみたい。
そう考えたときに、本書は最適な1冊かもしれません。

インデックス投資は、極めてシンプルな投資法だと思います。

だからこそ、「何故インデックス投資なのか」を考えておく。
投資を腹落ちさせることが、継続するために必要なことです。

難しい投資理論ではなく、分かりやすい表現で綴られている本書。
投資初心者が腹落ちをするために、ちょうど良い塩梅なのです。

もちろん、インデックス投資をしている人にとっても学びがあります。
本当に重要な投資の大原則について、改めて確認ができる良書です。

多くの人に、手に取って読んでみて欲しい一冊だなと感じました。

2019年4月21日日曜日

上場企業のあるべき姿を熱く語る「生涯投資家」(村上世彰著)

青井ノボルです。

コーポレートガバナンス、日本語にすると企業統治。
経営のルールとして捉え、その遵守を求める村上氏。

上場企業であれば、株式の流動性は一気に高まります。
となると、株主と真摯に対峙する必要はあるでしょう。

透明性の高い経営をして、株主の期待に応えていく。
そして株主のため、継続的に利益を上げ続けていく。

旧村上ファンドの代表であった、村上氏が書いた本書。
コーポレートガバナンスに拘る考えが書かれています。

この記事では「生涯投資家」を読んだ感想について書いていきます。

村上ファンドといえば阪神鉄道

村上世彰氏といえば、旧村上ファンドの代表者として超有名。
いまから10年以上前、投資素人のワタシでも知っていました。

阪神鉄道の株式を大量保有し、阪神タイガースの上場を提案。
ワイドショーで報道され、結構賑わっていた記憶があります。

村上ファンドが球団を乗っ取る、といった内容だったと思います。
個人的には、村上氏は利益主義の金に汚い人物という印象でした。

投資素人には悪い印象だけが残っていたのは、間違いないですね。

コーポレートガバナンスへの強い拘り

上場企業であれば、コーポレートガバナンスを遵守すべきである。
村上氏が本書の中で最も訴えたいのは、恐らくこの内容でしょう。

通産省を辞めて、旧村上ファンドを設立したのも日本を変えるため。
株主への意識が低い日本の上場企業に、ガバナンス強化を提言する。

良く言えば軸がしっかりしていて、行動力があるのが村上氏ですね。
ピュアで熱い想いを持ち続け、ストレートに行動する方のようです。

本書を読み進めていくと、村上氏の人物像がよく分かる気がします。

資本効率を上げて、より利益率の高い事業へ積極的に投資していく。
資本主義のルールを考えたとき、村上氏にとってあるべき姿はこれ。

その実行を、株主の立場から経営者に提言することを続けるなかで。
コーポレートガバナンスを日本の上場企業へと浸透させていきたい。

アツい想いを持っていたことは、本書によって初めて知りました。

旧村上ファンド時代の舞台裏

プロキシーファイトを挑んだ東京スタイル。
堀江氏が世間をにぎわせたニッポン放送。
そして、もはや代名詞でもある阪神鉄道。

世間をにぎわせた舞台裏で何が起こっていたのか。
当時の村上氏の想いもしっかりと綴られています。

村上氏が最も大切にしているコーポレートガバナンス。
その視点で考えたときに、各社はどう映っていたのか。

同じ出来事であっても、視点により見え方が大きく異なる。
コーポレートガバナンスという切り口も大切だと感じます。

現在では、コーポレートガバナンスコードが定められ。
その遵守が求められている時代ですから、尚更ですね。

村上氏の視点で捉える日本の問題点

日本人は貯金が好きで、株式市場にお金が回りにくい。
「貯蓄から投資へ」がなかなか進まないと言われます。

個人のお金が貯金にばかり流れると、株価も上がらない。
お金が「必ず増える」とは思えず、ますます投資しない。

本書では、こうして悪循環に陥っていると指摘しています。

アメリカではストックオプションの提供が圧倒的に多くて。
日本よりも時価総額が伸びている理由のひとつだそうです。

それ以外にも、村上氏は以下の様な指摘をしていました。

経営者は、託された資金をいかに効率的に活用して成長していくか、事業のプロフェッショナルとして先を見通した計画を立て、できる限り情報開示をしなければならない。株主との面談を含め、決算説明会など、全ての株主が企業と平等にコミュニケーションが取れる場を、積極的に設けるべきだ。
(引用元:生涯投資家P209)

市場から調達したキャッシュをどのように活用して事業を展開するか。
それによって高い利益を生み出すことが、投資家からは求められます。

株価が低いと判断するなら、手元資金で自己株取得を進めるのも一策。
株主にエグジットの選択肢を提供するほか、資本効率を上げられます。

投資家は、投資先から資金が戻ってきた場合、必ず次の投資先を探す。より多くのリターンを得られる投資先を、常に探している。そこで日本の上場企業のように、何も生み出さないままの状態で資金を寝かせてしまうと、そのまま塩漬けになり、成長のために積極的に資金を必要としている企業へ回っていかない。そうやって市場は停滞し、経済全体が沈滞してしまうのだ。
(引用元:生涯投資家P214)

こういう視点もあるんだな、というのは純粋に学びがありました。

上場企業とは何かを考えさせられた

インデックス投資では、広く分散した株式に投資ができます。
分散によりリスク低減効果が期待できるのは、メリットです。

ただ、投資先の個別企業との関係は希薄にならざるを得ません。
良くも悪くも「委ねる」という要素が大きくなってしまいます。

村上氏のような存在が、株主の立場で経営者と対峙していく。
そして、コーポレートガバナンスが機能している状態となる。

これはインデックス投資家にとっても良いことでしょう。
企業価値を高めていくために、必要なことだと思います。

村上氏が想い描く、上場企業のあるべき姿がはっきりと分かる。
一般的なサラリーマンには無い視点が学べる、面白い本でした。

コーポレートガバナンスの概念は、知っておいて損は無いです。
特に個人投資家にとっては、重要な視点のひとつだと感じます。

一方で、コーポレートガバナンスが絶対的なルールなのか。
上場企業は、企業価値を高めることに存在価値があるのか。

おそらく、道徳経済合一説を貫くような世界は別なのかも。
上手く整理して言葉にできないですが、違和感もあります。

いろんな価値観に触れることで、自分なりの価値観も定まってくる。
村上氏による想いで展開される本書だからこそ、学びがありました。

2019年3月23日土曜日

「さらば、GG資本主義」(藤野英人著)

青井ノボルです。

ひふみ投信の運用会社である、レオス社長の藤野英人氏。
本を何冊か書いていて、2018年に発刊したのが本書です。

ファンドマネージャーとして、多くの経営者と対話してきた人物。
多角的な視野を養ってきた藤野氏の主張は、一見の価値ありです。

文庫本で200ページほどの文量なので、スラスラと読めました。
投資家はもちろん、サラリーマンにこそ読んでもらいたいです。

この記事では「さらば、GG資本主義」を読んだ感想を書いていきます。

経営者の高齢化が進行

先進国の中でも少子高齢化が深刻だと言われる日本社会。
会社経営者についても、少子高齢化の影響が出ています。

民間調査会社である、帝国データバンクの調査によると。
会社経営者の平均年齢は年々上昇傾向で推移しています。

全国社長年齢分析(2019年)

背景には、個人保証問題や後継者不足など事業承継の課題もあります。
難しい問題ですが、国として事業承継を進めようとしているのは事実。

他方では、年長者が経営の重要な地位を占めるという慣習もあります。
いわゆる年功序列、という文化が色濃く残っているのも事実でしょう。

会社の経営者が高齢化している傾向は、間違いありません。

GGが牛耳る日本企業

著者の藤野氏は、経営の重要ポストに居座り成長を阻害する存在。
旧来型の価値観を押し付けるジ○イ達を、GGと表現しています。

やはり私が懸念している通り、日本の高齢化問題は「みんなの成長」を邪魔しているみたいです。
上の世代がいつまで経っても重要ポストに居座り、企業をはじめとするあらゆる場所で新陳代謝が起きにくくなっている。その結果、若い人たちが力を発揮する場所が一向に増えず、社会に新しい価値観が根付かない。時代が変化しつつあるのに、旧来型の発想から抜け出せず、成長の芽を摘まれてしまう―――。
(引用元:さらば、GG資本主義 P17-18)

多かれ少なかれ、こうしたことは日本各地で起きていそうです。
時代の変化に順応していかなければ、きっと取り残されるだけ。

若ければ良いとは限りませんが、GGの弊害も分かります。
相対的に発想が凝り固まるリスクが高いとは言えそうです。

過去の経験に基づく判断も必要ですし、貴重なデータです。
ただ、過去に固執しても未来を切り拓くことは出来ません。

イケてるGGになりたい

本書では、GG資本主義の要因や弊害について述べています。

それだけに留まらず、どうしたら世の中を変えることができるか。
未来志向の話も書かれていて、そこに価値があるのだと感じます。

綺麗に年齢を重ねる人も居て、GGにならなない人もいます。
紙一重かもしれませんが、イケてるGGになりたいものです。

実社会でも、Twitterなどネット上でもいろんな人が居ます。
凝り固まった価値観をネガティブにばら撒く人も存在します。

一方、人生経験に基づく示唆に富んだ言葉を使う人もいます。
そこには純粋に学びがあり、前向きで丁寧な言葉が多いです。

どちらを選ぶか、そして目指したいかは人それぞれでしょう。
もしも悪影響を及ぼすGGになりたくなければ、意識が大事。

外部環境に流されると、前者に流れ着く可能性が高そうです。
好奇心を持ち続けて、イケてるGGになりたいなと感じます。

ありがとうが作る優しい社会

一人一人が前向きに生きることができれば、社会は変わる。
藤野氏は、他の著書でも同じようなことを言っていました。

下記は、著者がとても大切にしている想いのようです。

植物に水と肥料をやり続けないと花が咲かないように、人間の成長にだって、社会の成長にだって、投資が欠かせません。ですから、社会が健やかに育っていくためには投資をする人が増える必要があります。そのために、誰でもいますぐに始められることがひとつあるのです。
それは、「ありがとう」と言うことです。
(引用元:さらば、GG資本主義 P114-115)

感情を持つ人間ですから、心が満たされていることは大事。
そう考えると「ありがとう」の言葉が持つ力は大きいです。

ありがとうが言えるということは、自分の心に余裕がある。
プラスの言葉がプラスの効果をもたらす、素敵なことです。

ごちそうさま、ありがとう、助かりました、などなど。
日常的に発する言葉、少し意識するようにしています。

前向き丁寧ポジティブな言葉を使いこなしたいですね。

トラリーマンになれ

新しい成長産業に目を向けず、その場にとどまり続けて大声で吠え続ける。
藤野氏は、ライオン型リーダーが日本の活力を奪っていると書いています。

ライオン型のリーダーに出会ったとき、つい言いなりになってしまう。
そのうち職業人としての誇り、遊び心をなくして社畜になってしまう。

こういう事態を避けるため、「虎になる生き方」を提案しています。
当事者意識を持ち、自分の心の声に従い、自分で人生を切り拓く人。

会社員であっても、トラリーマンを目指す道があるのです。
本書ではトラリーマンを、以下のように定義をしています。

会社員でありながら、組織の意向を慮るよりも自分の意思・良心に従い、会社のリソースを使って、顧客のために働く社員。
(引用元:さらば、GG資本主義 P132)

「上司のために」「前例主義で」といったことを取っ払って働く。
目の前の顧客が喜ぶ仕事をして、感謝してもらうのは嬉しいこと。

自分なりに顧客満足の最大化を考えながら、主体的に働いていく。
こういう働き方ができると、人生は豊かなものになる気がします。

明るい未来を掴み取るためにも、最初の一歩が大事ですね。

サラリーマン必読の一冊です

サラリーマンにとって、働くを前向きに捉えることは大切だと思います。
GG資本主義のもと、社畜意識が高まっているのは健全ではありません。

「顧客よりも自己都合」がまかり通った運用業界も変わり始めています。
つみたてNISAをキッカケに、健全な長期分散積立投資が普及して欲しい。

仮に投資で経済的な余裕が生まれれば、トラリーマン化にも繋がります。
経済的な不安が無ければ、ライスワークからの脱却も容易だと思います。

経済的に自立できれば「いつやめてもいい」と信念を貫くことができる。
本多静六が唱えた職業の道楽化こそ、本物の働き方改革かもしれません。

本書でも本多静六のエピソードが出てきますが、元祖トラリーマンです。
こういう人が一人でも増えると、明るい未来に繋がっていくのでしょう。

本書からは、主体性を持って生きることの大切さを学べます。
長期投資も一緒で、自分で考えて腹に落とすのが大切なこと。

藤野氏の書籍は、面白いなと感じるので相性が良いのかも。
オススメの著書があったら、ぜひコッソリ教えてください。

2019年3月16日土曜日

普遍的な人生哲学が学べる「私の財産告白」(本多静六著)

青井ノボルです。

インデックス投資を始めてから、様々な書籍を読むように。
気になった本があれば、できるだけ読むようにしています。

最近は、長期投資仲間がオススメする本を読む機会も多いです。
「私の財産告白」は、非常に多くの人がオススメする本でした。

調べてみると、オリジナル版は60年以上前に書かれていて。
古い書籍ですが、皆さんがオススメするのには意味がある。

期待して読み始めたのですが、時代を超えて通じる話ばかり。

投資をする上で、そしてお金に困らない人生を過ごすために。
そして、幸せな人生を歩んでいくためのヒントがありました。

この記事では、普遍的な人生哲学が学べる「私の財産告白」を読んだ感想を書いていきます。

現代でも通じる人生哲学

本書は、人生を通じたお金の殖やし方・使い方はもちろん。
対人関係や世渡り術についても書かれた、面白い一冊です。

大学教授として働きながらも、蓄財と投資に勤しんだ本多静六。
「人生即努力、努力即幸福」という人生観で生き抜いた人です。

本書は1950年に出版され、著者は2年後に亡くなったそうです。
80歳代とは思えない、エネルギッシュな内容に驚かされます。

本多静六が本書に記した人生哲学は、今でも十分通用する。
本書を読み終えたとき、ワタシはそのように感じました。

本多式四分の一貯金

序盤に書かれているのが、本多式四分の一貯金という蓄財法。

具体的な方法はシンプルで、天引後月給の1/4を先に貯金。
賞与などの臨時収入は全て貯金、残りで生活をするのです。

貯金利子は通常収入とみなし、1/4だけ貯金するとのこと。
とはいえ、最初はかなり苦しい生活だったと書いています。

それでもやり切っているところが、常人とは違うところ。
やるべき内容はシンプルでも、継続の意志が重要ですね。

貯金の問題は、要するに、方法の如何ではなく、実行の如何である。
(引用元:私の財産告白 P20)

やり抜くことが大切というメッセージは、まさにその通り。
仕組みを作り、あとは慣れるのみというのも合理的ですね。

上手なお金の使い方

独自の蓄財投資法を実践して莫大な財を築いた本多静六。
お金をどう使うかという点にも、哲学があったようです。

ある程度自分がそれに成功した上には、自分も成功しつつさらに人にも成功させるために、その余力を割くことが成功者の社会的責務である。また自分の成功を大成せしむるゆえんでもあることを忘れてはならない。
(引用元:私の財産告白 P82)

有意義な事業に出資すること、微力なものに力を貸してあげること。
世の中で自分だけが良ければ良い、とはいかないということですね。

本多静六は50歳より、収入の1/4を社会有用の事業に投資します。
若い頃の「四分の一貯金」が「四分の一奉仕」に変化したのです。

要するに財産は社会の寄託で、財産を多少でも築き上げた者は、税務署へ納める税以外に、またそれに相当する「社会的財産税」を覚悟すべきことである。
(引用元:私の財産告白 P85)

金銭的な余裕があればこそ、こうした発想に辿り着くのでしょう。
遠い将来、これくらいの考えに至れると良い人生になりそうです。

論語と算盤の渋沢栄一

本書には、日本資本主義の父と呼ばれる渋沢栄一も登場します。
おそらく埼玉県人会などを通じて、交流があったのでしょうか。

渋沢栄一は、様々な事業の立ち上げに参画したことで有名です。
投資関連で言えば、東京証券取引所の設立にも携わっています。

渋沢栄一といえば著書「論語と算盤」も非常に有名だと思います。
論語による人格形成と資本主義の利益追求の両立を説く内容です。

さて、本多静六は本書で渋沢栄一を「理屈屋」と表現しています。
一方で、理屈から入っても一度決めたらとことん人情で付き合う。

多くの事業企画に関われば、好調な事業も不調な事業もあって。
仮に不調な事業でも、途中で逃げ出さずに誠心誠意に対応する。

理に始め、情で終わられる、めずらしい存在であった。
(引用元:私の財産告白 P126)

本多静六から見て、渋沢栄一のことがそのように映っていた。
以前から渋沢栄一が好きなワタシには、興味深い記述でした。

上長として人を上手く使う方法

本書の終盤は、処世術とも言える内容がメインになってきます。
ここで書かれている内容は、今の時代にも十分通じる話ばかり。

メンバーの名前を正確に覚え、仕事を頼むときも名前で呼ぶ。
その人の地位や力量に対して、少し上の仕事を選んで任せる。
部下の意見や提案は、忙しくても親身になって忍耐強く聴く。
人を叱らなければならないとき、長所を褒めてから注意する。

当たり前のようで、なかなか実践できない人も多い内容です。

本多静六がやっていたことは、決して難しいことではありません。
「当たり前のことを実践する」を徹底された方なのだと思います。

人生に役立つ気付きの多い一冊

本多静六が本書で書いていることは、いたってシンプルです。
複雑さはあまり無いので、おそらく再現性も高いと思います。

ただし、人間というのは惰性で生きていしまう性質があって。
シンプルな行動哲学を貫く、ということが意外と出来ません。

「知っていること」と「できること」は違うということです。

当たり前のことを当たり前にやり続けて、それで成功された。
努力という言葉を、体現された人生だから成せる業なのです。

大切なことは、シンプルな行動哲学を徹底的に継続すること。
それで成功されているという事実が、大きな励みになります。

ワタシの実践しているインデックス投資も、同じだと思います。
理屈ではバイ&ホールドが良いと分かっていても動いてしまう。

心を揺さぶられないように、そしてとにかく継続できるように。
本書で学んだこと、投資や人生に活かしていきたいと思います。

2019年3月3日日曜日

投資未経験者に読んでもらいたい「インデックス投資完全ガイド」

青井ノボルです。

インデックス投資は、ほったらかし投資と言われることもあります。
一度腹を決めて始めてしまえば、ほぼ手間がかからない投資法です。

とはいえ、インデックス投資を始める第一歩を踏み出すのは結構大変。
世間的な投資のイメージと大きく異なるので、正しい理解も必要です。

入り口段階で最低限の勉強をして、自分の頭で考えるのが肝要です。
ただ、堅苦しいばかり言っても投資家は増えないという悲しい現実。

インデックス投資を手軽に学べる本として、このムック本は素晴らしい。
「インデックス投資完全ガイド」は、投資未経験者にこそオススメです。

この記事では、投資未経験者に読んでもらいたいムック本「インデックス投資完全ガイド」について書いていきます。

水瀬ケンイチさんが監修

こちらのムック本は、監修者の水瀬さんから贈っていただきました。
お金は寝かせて増やしなさいの内容に準拠したムック本とのことです。

届いたムック本を拝見したら、癒し系イラストの水瀬さんが沢山!
マンガやイラストでインデックス投資のイロハを学べる一冊です。

イラストや図表を流し読みすれば、30分くらいで読めるのでは。
投資の専門用語も少ないので、投資未経験者でも読みやすいです。

お金は寝かせて増やしなさいが大好きなワタシは、90分くらい。
隅から隅までじっくりと、時間を掛けて読ませてもらいました。

インデックス投資を始めるときのステップはもちろんのこと。
リスクを考える重要性、投資を長く続けていくための極意等。

インデックス投資の実践ポイントが綺麗にまとまっています。

マンガとイラストの力は偉大

お金は寝かせて増やしなさいを読んで、ワタシはインデックス投資を始めました。
だからこそ、水瀬さんの発信する考え方がもっと広まって欲しいと願っています。

一般的な書籍の活字では無くて、マンガやイラストで伝えるということ。
とっつきやすく、最初のハードルは格段に下がるんだなと実感しました。

「マンガでわかる」と書かれた本を書店でよく見掛ける理由が分かります。
まずは概要を知ってもらいたい時に、マンガはとても有効なツールですね。

本書はイラストが豊富ですが、それに付随する文章もしっかりしています。
イラストでざっくり理解したうえで、後で文章を読んで理解を深めていく。

投資に触れたことのない初心者の方が読む場合、この構成は良さそうです。
興味が湧いたら、更にお金は寝かせて増やしなさいを読むと良いでしょう。

インデックス投資の手順は必見

失敗しないインデックス投資の手順が書かれている入門編。
インデックス投資を始める前に、知っておきたい内容です。

有名なインデックス投資関連本は、世の中に何冊もあります。
「敗者のゲーム」「マネーと常識」などの名著があります。

基本的な考え方は学べますが、あくまでアメリカ人の書いた本。
アメリカの国内事情を前提に書かれている部分もあったります。

本書は、日本特有の事情を勘案したインデックス投資の指南書。
日本で数少ないインデックス投資の長期実践者が監修している。

何気なく書かれている入門編ですが、実は奥深い内容なのです。
投資経験者でも、この部分は再度読んでみて損は無いでしょう。

ただ、日本で生活する普通の日本人なら誰でもできる手順です。
簡単な内容ですが、少し自分の頭で考えてみる必要はあります。

こうやって考えてみては、という提案もしっかり書かれていて。
フロチャートにするなどして、分かりやすく表現されています。

ワタシも、インデックス投資を始めるときはこの手順でした。

まずはじめに、生活防衛費について考えて。

次に、自分自身のリスク許容度を考えて。

リスク許容度に応じた資産配分(アセットアロケーション)を考えて。

積立投資をする投資信託(ポートフォリオ)を決める。

最初にひとつひとつ、丁寧に考えた経験は今でも活きています。
少し時間が掛かりますが、この後は本当に手間が掛かりません。

本書を読みながら、ちょっと考えてみて欲しいところです。

初心者でも読みやすい配慮あり

入門編のあとも、実践編・運用編・極意編・出口編と続きます。
インデックス投資で重要なことが分かりやすく書かれています。

水瀬ケンイチさんのインデックス投資実録記は、ドラクエ風に。
各年を4コマ漫画で上手く表現されていて、とても面白いです。

その他の部分も、徹底的にイラスト・図表で解説されていて。
抑えるべきポイントが明確なので、理解しやすいと思います。

また、専門用語やカタカナ語が少ないのもポイントでしょう。
ドヤ顔で「ベーシスポイント」などを使う業界人とは大違い。

投資初心者でも読みやすくする配慮を徹底している印象です。

人の未来を信じること

本書の一番最後に書かれていたのが「人の未来を信じること」。

ほったらかし投資を継続できた人は、楽天家だった。
水瀬ケンイチさんは、そのように分析されています。

もちろん、楽天経済圏に生きている人という意味では無くて。
資本主義経済の長期的発展という、明るい未来を信じること。

「豊かになりたい」というシンプルな想いが続くのか否か。
その気持ちがインデックス投資を成功させる原動力となる。

たしかに、資本主義経済の原点は豊かになりたいという想い。
経済的な豊かさが前提ですが、その他の視点もありそうです。

豊かさとは何か、資本主義経済の原点とは何なのか。
マズローの欲求5段階説、で考えてみても面白そう。

概念的な話も、興味を持てばどこまでも掘り下げられる。
インデックス投資は、シンプルであるが故に深いのです。

投資未経験者にオススメしたい

読みやすいムック本である本書は、抵抗感なく読める一冊です。
イラストやマンガを駆使して、分かりやすく仕上がっています。

インデックス投資は、一般的な投資のイメージとは程遠いもの。
だからこそ、普通の日本人にも馴染む可能性が高いと思います。

ただ、投資というと何となく高いハードルを感じてしまいがち。
ハードルを一気に下げてくれる力が、本書にはあると思います。

投資未経験者にこそ、是非読んでもらいたい一冊です。

投資未経験者の方が、まず読む一冊としてオススメできます。
もちろん、投資経験者の方が基礎を学び直すこともできます。

ワタシの場合、本書を妻に読ませてみたいなと感じました。

ムック本であれば、そこまで抵抗なく読んでもらえるかも。
淡い期待を抱きながら、ちょっと勧めてみたいと思います。

皆さんも、大切な人にインデックス投資を理解して貰うために。
インデックス投資への第一歩を、踏み出してもらう一助として。

「インデックス投資完全ガイド」を活用してみてください。

2019年2月24日日曜日

生き方を考えさせられた「お金と心」(岡本和久著)

青井ノボルです。

インデックス投資を始めて、もう少しで1年が経ちます。
ネットや書籍を通じて、これまで色々学んできました。

投資に限らず、興味を持った書籍は読むようにしています。
ネットと違い、じっくりと内容に向き合えるのが書籍です。

この本は、つみフェス2018で講演された岡本和久さんの著書。
投資への考え方はもちろん、人生について考えさせられます。

この記事では、岡本和久さんの著書「お金と心」を読んだ感想を書いていきます。

人生の目的はしあわせ持ち

岡本和久さんとの出会いは、つみたてNISAフェスティバル2018の講演。
はじめてお話をお聞きしたのですが、その考え方に感銘を受けました。

資産形成は大事だけど、お金の大小で人生の成功が決まるのだろうか。
そんな疑問を抱きつつ、インデックス投資を始めた直後の時期でした。

人生の目的はしあわせ持ちになること。幸福感を感じて生きることです。
老後は資産形成の結果を受け入れ、幸福感を最大化しながら生きていく。

ワタシはこの考え方に元々近かったのか、強く共感したのでした。

資産形成としての投資

本書は一般的な投資本よりも、一歩引いた大局的な話が多め。

人生の目的は何で、どうすれば幸せになれるか。
お金とはどういう存在であり、なぜ必要なのか。

普段考えないようなことも、しっかり触れています。
人生の大先輩が書かれた内容で、考えさせられます。

資産形成としての投資は大事ですが、所詮は人生の一部分。
人生や生き方を見つめ直すことも大事な要素だと思います。

人生を通じて実践する資産形成において、どんな投資が向いているか。
何故そういった投資を選択するのが良いのか、一本筋の通った内容も。

本書では、全世界株式のインデックスファンドに長期分散積立投資することを推奨。
もちろん、NISAやiDeCoなどの非課税口座を活用することの重要性も説いています。

具体的には75文字の投資戦略として、シンプルに表現されています。

全世界の株式インデックス・ファンドをできるだけ若いうちから、毎月、定期的に一定額を積立投資する。そして、それをリタイアするまで絶対にやめないで続ける。
(引用元:お金と心 P74)

いまインデックス投資を実践している人はもちろんのこと。
これから資産形成を始めるという人にも薦めたい1冊です。

意識を拡大することの重要性

本書のもう一つの特徴は、瞑想による意識拡大の重要性を説いている点。
岡本和久さんは超越瞑想という手法を長年に渡り実践しているそうです。

超越瞑想は心を扱うテクニックの一つで、宗教とは無関係とのこと。
技術習得のために専門家から学ぶようで、結構な費用がかかります。

瞑想には興味が持てませんでしたが、意識の拡大は大事ですね。

「いま・自分」という小さな箱から飛び出して。
「未来・世の中」といった広い視座を持つこと。

時間軸と空間軸、それぞれの意識を拡大していくこと。
外部の刺激から強くなって、ストレスを感じなくなる。

これは投資においても、非常に重要な概念だと思います。
もちろん、長い人生を幸せに生きるためにも大切な要素です。

時間軸を伸ばす、空間軸を広げることは人生でとても重要です、時間軸を伸ばすというのはそのまま長期的な視野で生きるということです。空間軸を広げるということは、世の中のためになることを考え行うということです。
(引用元:お金と心 P143)

おそらく、意識の拡大は超越瞑想以外でも実現可能だと思います。

投資によって、相場変動の荒波に揉まれることも一つの方法です。
ワタシが長年続けている登山も、自然と対峙するので良いのかも。

相場変動や大自然といった、個人では太刀打ちできない大きな存在。
大きな存在を感じて、認めて、受け入れることが肝要だと思います。

幸せの積立投資を続けたい

本書の最終章は「遊びの時代~「しあわせ持ち」へのロードマップ」。
つまり、定年を迎えるなどしてリタイアメントしたあとの人生です。

証券会社や年金運用の最前線で活躍されたのち、現在70歳代の著者。
人生を通じての幸せなお金との付き合い方を説く活動をしています。

遊びの時代を謳歌している岡本和久さんの言葉は、重みがあります。
30歳代のワタシとは時代背景が異なりますが、考え方が素敵です。

特に、信念として紹介された人間万事塞翁が馬の話が印象的でした。

過去は変えられないが未来は変えられるというようなことをいいますが、未来だってどうなるかは分かりません。ただ、一つ言えることは、この瞬間、誠心誠意、一生懸命に今努めた行動は、必ず良い結果をもたらしてくれるだろうという信念を持つことが大切だということです。例えその結果が死であったとしてもです。
まさに長期投資と同じです。短期的には大幅に値下がりしたり、高騰したりします。しかし、それを繰り返すうちに価値はゆるやかに増加しているのです。なぜなら世界経済が成長しているからです。そして、世界中の企業が生み出す付加価値が投資収益の源泉だからです。
(引用元:お金と心 P231)

こうした考え方に至るまでには、様々な経験が必要かもしれません。
ワタシは、とても素敵な考え方であり投資方針であると感じました。

「この瞬間、誠心誠意、一生懸命に今努めた行動」を取り続けて。
この言葉が心の底から湧き上がる、そんな大人になりたいですね。

もうひとつ、素敵な考えだと感じた文章がありました。

世の中、こうなるだろう、だから私はこういう行動を取っておこうなどと考えてもその通りになるかどうかなど分からないものです。一生懸命に「いま」するべきことをしていると天がよい結果を与えてくださる、そう思っています。
そうすれば毎日、よい結果がいただけるようになります。毎日が幸せになります。そして「しあわせ袋」がどんどん膨らみます。まさに幸せの積立投資です。そして幸福感も複利で増えていきます。そして、死ぬときがもっとも幸せ、そんな人生を送りたいものです。
(引用元:お金と心 P231)

まさにその通りだと思います。

いまできることに一生懸命になること、にフォーカスする。
それが幸せの積立投資であり、幸福感が徐々に増えていく。

相場も人生も、将来の不確実性(リスク)は絶対にあります。

リスクを上手く回避しようとするか、どっしり受け止めるか。
不確実性を嘆き続けるか、懸命に行動するか、その違いです。

ワタシはリスクを受け入れ、いまを懸命に生きたいと感じます。

生き方を考えさせられました

金融の最前線で活躍された岡本和久さんが、長い人生で辿り着いた境地。
幸せな生き方を軸として、お金との付き合い方が凝縮された一冊でした。

人生100年とも言われるいま、人生は意外と長い気がします。
一方で、意外とあっという間に過ぎ去るのかもしれません。

たった一度きりの人生、本当に大切にしたい想いは何なのか。
どんな人生を送りたくて、そのためにお金とどう付き合うか。

本書に書かれている内容は、考えを深める契機となるでしょう。
まさに、今後の人生で参考にしたい金言に溢れた書籍でした。

これからも大切に読み返したい、そんな書籍だと感じています。
岡本和久さんの考え方、ワタシにはとても合っているようです。

NightWalkerさん然り、人生の大先輩から学ぶべきことは多いです。
様々な考え方に触れながら、彩り豊かな人生を送りたいと思います。

そのための一要素として、インデックス投資をしっかり継続します。

2018年12月8日土曜日

今日は「お金は寝かせて増やしなさい」発売1周年記念日

青井ノボルです。

今日は、水瀬ケンイチさんの「お金は寝かせて増やしなさい」発売から1周年。
フォレスト出版から2017/12/8に発売され、今日でちょうど1周年となります。

インデックス投資には、名著といわれる本が幾つかあります。
「ウォール街のランダム・ウォーカー」「敗者のゲーム」。

名著はもちろん素晴らしいのですが、原則としてアメリカの話。
インデックス投資の原則は一緒でも、投資環境は全く異なります。

日本人による、日本人のためのインデックス投資の実践本。
それが「お金は寝かせて増やしなさい」なのだと考えます。

ワタシはこの本に出会って、インデックス投資を始めることができました。
本書には本当に感謝しているので、勝手ながら1周年をお祝いしたいのです。

この記事では、「お金は寝かせて増やしなさい」の1周年を記念して本書の魅力をお伝えします。

水瀬ケンイチさんによる15年間の実践記

皆さんご存知の通り、水瀬ケンイチさんは著名インデックス投資ブロガー。
ブログ「梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー」を長年書かれています。

「インデックス投資のバイブル的ブログ」というのは本当の話で。

インデックス投資の始め方から、出口戦略まで多岐にわたる記事。
3,500を超える圧倒的な記事数で、内容も充実していて凄いです。

インデックス投資に出会ったもの、水瀬さんのブログがあってこそ。
ワタシは2018年1月に偶然ブログを拝見して、一気にハマりしました。

著書の出版直後でもあり、書評ピックアップ記事が上がっていて。
インデックス投資本を書かれている事を知り、チャリで即本屋へ。

「お金は寝かせて増やしなさい」、一晩で読み終えたと思います。

様々な苦労を乗り越えて、15年間インデックス投資を継続してきて。
そのノウハウや考え方を、余すところなく凝縮した実践記なのです。

理論だけではなく、日本でインデックス投資を実践してきた人が書いた本。
金融機関やプロの投資家ではなく、徹底した個人投資家目線で書かれた本。

だからこそ、サラリーマンなどの普通の人でも読める本なのだと思います。
インデックス投資初心者のワタシでも、内容をすんなりと理解できました。

投資初心者に最適な一冊です

「お金は寝かせて増やしなさい」は、インデックス投資のバイブル本。
インデックス投資のイロハを学ぶのに、最適な一冊と言われています。

金融庁主催のイベント、つみたてNISAフェスティバル2018のなかでも。
「初めての投資!おススメの一冊ベスト10」で見事、1を獲得しました。

個人投資家による投票で、投資初心者向けに最適という評価なのです。
実はワタシも、「お金は寝かせて増やしなさい」に投票していました。

初心者でも読めるように、平易な言葉とかみ砕いた表現で書かれています。
水瀬さんによる長年の実体験に基づく、徹底した個人目線の文章なのです。

ガリガリ君が2回連続で当たったエピソードなど、その最たる例でしょう。
投資初心者でも興味を持ちながら読み進められるよう、工夫されています。

いまだに売れ続けている名著です

発売3日で重版決定、発売10日で2万部突破といった勢いのある本書。
その後も頻繁にランキング上位に躍り出るベストセラー本なのです。

発売から1年間が経過したいまでも、根強い人気で読まれています。

発売から1年が経過したいま、新書を抑えて堂々のカテゴリ1
流行り廃りとは無縁、インデックス投資の定番本である証左です。

日本国内の投資環境という特殊事情を加味しつつも、普遍的な内容です。
筆者の経験に基づく実践的なアドバイスであり、確かな学びがあります。

インデックス投資のバイブル本として、今後も売れ続けるのでしょう。

本屋で必ず確認する程度に大好きです

ワタシは、水瀬ケンイチさんのお陰でインデックス投資を始めて。
インデックス投資を腹に落とすことの重要性を、本書で学びました。

そのお陰で、ブログを書きながら投資と向き合っている日々です。
お金は寝かせて増やしなさいを読んで、人生が大きく変わりました。

インデックス投資を始めるキッカケの本書には、とにかく感謝です。
個人的に思い入れの強い書籍なので、本屋で必ず確認してしまいます。

フォレスト出版さんのキャッチコピーは素敵なフレーズです。
流石、プロの仕事という雰囲気で素直にスゴイと思います。

こちらの本屋さんは、相当気合を入れて入荷したようでした
山積み具合が凄すぎて、驚いたことを鮮明に覚えています。


このように、好きすぎて本屋でついチェックしてしまう。
習慣となってしまっていて、今更止めることができません。

著者本人もハマってしまう一冊

お金は寝かせて増やしなさいは、筆者でもハマってしまう。
言葉では表現しきれない、不思議な魅力が潜んでいます。

アホでも何でもなくて、良いものは良いというのが真理です。
筆者も自ら認めざるを得ない魅力があるのが、本書なのです。


筆者が深夜にうっかり読みふけってしまう本。
本人が絶賛してしまう本、最高じゃないですか!

インデックス投資の新定番本

インデックス投資本として、本書は定番の本となるでしょう。
というよりは、本書こそ定番本になるべきだと考えています。

本書の魅力は、この記事だけでは到底書ききれません。
おそらく、多くの人にとって本書は特別な存在だと思います。

それだけ影響力があって、人の心に響く書籍ということです。

著者の水瀬ケンイチさんは、どんな想いで本を執筆したのでしょう。
真相は不明ですが、少なからず影響を受けた人は多いと思います。

少なくともワタシにとっては、人生を変えた唯一無二の書籍です。

誰が何と言おうと、ワタシにとっては特別な存在であり続ける本書。
お金は寝かせて増やしなさいは、発売から1年経っても色褪せません。

そして、著者の水瀬ケンイチさんは今もブログを書き続けています。
経験のある方が発信を続けてくれることは、本当に有難い限りです。

今後も多くのことを水瀬さんから学び、インデックス投資を続けていきたい。
ワタシの原点とも言える本書、発売1周年記念日に触れて改めて感じました。

発売1周年記念日、改めまして本当におめでとうございます!

2018年10月17日水曜日

「ちょっと気になる社会保障 増補版」(権丈善一著)

青井ノボルです。

健康保険や公的年金といった、日本の社会保障制度。
ちゃんと知っているようで、実はあまり知らない世界です。

投資でも活用できるiDeCoは、年金制度の一部です。
生涯CFを考えるとき、万が一の遺族年金は重要です。

個人のお金について考えるとき、知っておきたい社会保障。
どういった仕組みで、どんな思想で設計されているのでしょう。

この記事では、社会保障の基礎知識を学べる「ちょっと気になる社会保障 増補版」を読んだ感想を書いていきます。

本書を読むことになったキッカケ

社会保障という言葉を知っていても、その中身はよく分からない。
あるいは、社会保障など全く当てにならないと考える人もいます。

ワタシもiDeCoをはじめてから、公的年金制度に興味を持つように。
Twitterやブログで学んでいる中で、気になるブログ記事がありました。

この本を読むキッカケとなった、菟道りんたろうさんの記事です。

「iDeCoの引き出し可能年齢が60歳から65歳に引き上げられるかも」という指摘は勇み足では

菟道りんたろうさんは、深い知識と教養を持っている投資ブロガーのひとり。
投資に対する確固たる軸を持たれていて、いつも勉強させてもらっています。

さて、ワタシは前述の記事を読んですぐに、本書を図書館で予約しました。

実は、図書館で本書を借りてから1ヵ月弱が経ってしまいました。
時間はかかりましたが、少しずつ読み進めて何とか読み終えました。

社会保障の実態が分かる書籍です

本書を読み終えて、社会保障への見方が大きく変わった気がします。
その実像は、マスコミで報道される社会保障とは違うようです。

社会保障ド素人のワタシには、全てを正確に理解するのは難しかったです。
それでも大枠は掴めましたし、偏った見方をしていたことを知りました。

制度の仕組みや歴史、そして根底にある考え方を知ることは大事です。
本書は社会保障専門家の立場から、平易な言葉で解説をしてくれます。

日本で生活していく以上、社会保障とは切っても切れない関係です。
だからこそ、正しい知識を付けておくことは必要なことだと思います。

本書は、社会保障の仕組みを正しい知識として知りたい人向けの良書です。

少子高齢化と社会保障

第1章から、いきなり常識を覆されたのが印象的でした。
高齢者世代と現役世代の関係と言えば、この図が常識でしょう。

少子高齢化の進展|財務省

20歳~64歳の人口と、65歳以上の人口を比較している図です。

ところが、所得を何人で生産して何人に分配するかという視点。
社会保障を考える上では、こうした視点の方が適切といいます。

つまり、単純に年齢で区切った先ほどの人口比率の図ではなく。
就業者1人が支える非就業者の人数比率こそが、重要なのです。

視点を変えて、社会全体で就業者1人が何人の非就業者を支えるかを見ると、1人程度でこの数十年間はほぼ安定しており、将来もあまり変わらない。実態としては、若い世代の将来の負担が何倍にもなるわけではない。
女性や高齢者が働きやすい環境を整え、支え手に回る人を増やすことで、少子高齢化の荒波も何とか乗り切れることがわかる。少子高齢化に耐えうる仕組みに転換するには、雇用の見直しこそが最重要課題。
(引用元:ちょっと気になる社会保障 知識補給増補版 P3-4)

高齢者も女性も、働きたい人が働ける社会を実現する。
少子高齢化が避けられない以上、やるしかないですね。

ところで、各年齢時点での平均余命という考え方があります。

1947年には、標準的な定年年齢は55歳だったといいます。
当時の55歳男性の平均余命は、15.97年だったそうです。

そして、いまの時代は65歳まで働くことが一般的に。
2010年の65歳男性平均余命が、18.74年だそうです。

仕事を引退した後の人生の長さはさほど変わらない。
多くの人が生き生きと働ける社会にしたいですね。

勉強になった様々な考え方

そのほかにも、本書に書かれている考え方は未知のものが多かったです。

  • 年金における「生産物が中心」という考え方(P18)
  • 「救貧機能」と「防貧機能」(P38)
  • 社会保障の所得再分配機能(P93)
  • 将来の話を名目値で語ってはいけない(P126)

恥ずかしながら、いずれも知っているようで知らない考え方でした。

細かい点までは理解できませんでしたが、大枠は理解できた気がします。
おそらく、大雑把にでも全体像を知っておくことは重要だと思います。

社会保障の充実で住みやすい日本へ

ワタシは5人家族で3人の子供がいます。
夫婦の親は勿論、祖父母も存命です。

立場の違う世代ですが、皆が過ごしやすい社会になって欲しい。
身近な人を想像してみると、自然とそんな気持ちになります。

本書を通じて、社会保障の基礎的な知識を習得できたと感じています。
また、世代間の助け合い制度である社会保障の重要性を再認識しました。

社会保障を正しい方向に導き、住みやすい社会とするために。

個人にできることと言えば、まずは正しい知識を持つこと。
社会保障の意義やメリットを理解して、日常生活を送ること。

ワタシも少しずつ実践していきたいと思います。

iDeCoをキッカケに、菟道りんたろうさんのお陰で出会えた本書。
学びの多い書籍ですので、みなさんもぜひ読んでみてください。

2018年9月2日日曜日

「投資家が「お金」よりも大切にしていること」(藤野英人著)

青井ノボルです。

つみフェス2018で、投資初心者向けおススメ本ランキングという企画がありました。
堂々の第1位は、水瀬ケンイチさんのお金は寝かせて増やしなさいです。

そのランキングで、第4位に入っていたのが本書。
ひふみ投信でお馴染みの藤野さんが書いた本です。

お金とは、会社とは、経済とは、投資とは何なのか。
日本人にありがちな偏見にも、ズバリと切り込みます。

この記事では、「投資家が「お金」よりも大切にしていること」を読んだ感想を書いていきます。

日本人特有のお金の固定観念

本書は第1章から、日本人とお金の歪んだ関係について指摘します。
「日本人は、お金が大好きで、ハゲタカで、不真面目」とのこと。

この文字だけを見ると違和感があるかもしれませんが、読むと納得します。

特に、日本人は自分のお金を守ることに執着するという指摘。
よく考えてみると、確かにその通りだなと感じました。

現預金の保有率が高く、また元本保証が好きですよね。

第2章でも、清貧が良しとされる日本の文化について触れています。
そうやって考えてしまう癖のようなもの、確かにある気がします。

日本で普通に生まれ育つと持ってしまうであろうお金の固定観念
なぜこうした偏った思考に陥るのか、大枠を掴めた気がします。

社会の幸せは自分の行動から

藤野さんの考え方は、非常にユニークで共感できるなと感じました。
特に、社会と個人の関わりに対する考え方には学びが多いです。

ワタシが印象に残ったのは、このフレーズ。

自分たちの社会を幸せにするかどうかは、大部分は私たちの行動によるのです。
(引用元:投資家が「お金」よりも大切にしていること P106)

「ありがとう」には「ありがとう」が返ってくる。
こちらが怒りの感情で接すれば、怒りが返ってくる。

まずは、一消費者である自分からプラスの感情で対応する。
周囲にプラスを波及させる、合理的な経済行動でもある。

怒りの感情を露わにしても、決して良いことなどありません。
自分からプラスの連鎖を起こす、という心持ちでありたいですね。

真に必要な金融教育

労働の意義や会社の本質について知ること。
金融教育において、これが重要だと指摘しています。

会社はひとつの生き物であり、別の言い方では法人です。
多様な人間の集合体でもあるため、生態系とも捉えられます。

会社というのは、お金をチャリンチャリンと生み出す機械ではありません。
そこでは意志のある人が働き、価値ある労働の先に企業の利益があります。

どんな会社も、何らかの価値があるから存在できています。
そして、必ず血の通った人間が関わっているものなのです。

こうしたことが理解できる金融教育こそ、必要なのでしょう。

投資はお金ではなくエネルギーのやり取り

投資とは何なのか、これは本書における最大のメッセージかもしれません。

投資とは、いまこの瞬間にエネルギーを投入して、未来からのお返しをいただくこと。
(引用元:投資家が「お金」よりも大切にしていること P193)

エネルギーを構成する要素のひとつが、お金だということです。
そして、最大のお返しは「明るい未来」だと言います。

壮大な理想論ではありますが、理想と現実の間を悩みながら進んでいけばいい。
現実には難しさもあるけど、理想があってこそ頑張れるし生きがいを感じる。

投資の第一歩は、人を信じられるかどうか
他人や社会を信じて、そこにエネルギーを投じて、明るい未来を作る。

こういう考え方は、とても素敵だなと感じました。

投資について考えさせられる良書

本書は、投資手法や理論というよりも投資の心構えを学べる書籍です。
ひとつの考え方として、筋が通っているし読みやすい内容だと思います。

働くとは何か、会社とは何か、投資とは何か。
大切な原点を見つめ直す契機となる、良書だと思います。

長期投資を続けるためにも、本書のメッセージは重要です。

明るい未来を信じて、自分から一歩を踏み出せるかどうか。
胸に手を当てて、改めて考えてみるのも良い気がします。

2018年8月17日金曜日

「ファイナンス理論全史」(田渕直也著)

青井ノボルです。

このブログを書き始めてから、様々な投資関連書籍を読んできました。
長期投資仲間の皆さんに教えて貰い、興味を持ったものが大半です。

先日、Twitterで勝手にフォローしているhiroさんが紹介していた書籍。
もともと現代ポートフォリオ理論に興味があったので、気になりました。

常に批判が付きまとうという、現代ファイナンス理論。
理論の本質を知るには、うってつけの本だと思います。

個人投資家として、このレベルの知識は知っておいて損はないでしょう。
長期投資を続けていくには、むしろ知っておきたい知識かもしれません。

この記事では、「ファイナンス理論全史」を読んで感じたことを書いていきます。

投資中級者向けの書籍です

最初に書いておきますが、この本は地元の図書館で借りました。
本を置くスペースが少ないので、できるだけ借りるようにしています。

全300ページ弱の本書ですが、平易な言葉で書かれているので読みやすかったです。
ただ専門用語が容赦なく出てくるので、投資初心者には少しキツイかもしれません。

それでも、様々な理論を数式無しで分かりやすく解説してくれる良書です。
なんとなく知っていた言葉を、きちんと理解できるように説明してくれます。

理論が生まれた背景、金融の現場でどのように活用されているかなど。
単なる用語解説では無い部分まで、しっかりと触れているのが良いです。

投資用語はある程度分かるけど、各理論について理解が深まっていない。
あるいは、ファイナンス理論の周辺を含めて俯瞰できるようになりたい。

そういった投資中級者向けの書籍だと思います。

正しいかどうかの先にあるもの

現代ファイナンス理論は正しいのか、間違っているのか。
この問いに対する明確な解答は、とても難しいようです。

市場が効率的かそうでないかの論争は、白か黒かの二元論に陥る傾向があるが、現実の市場には、効率化へ向かう力と、完全な効率化を阻む壁がともに内在している。
(引用元:現代ポートフォリオ理論全史 P80)

金融の実務においては、理論の限界を知りつつも上手に活用をしているらしく。
計算上の辻褄が合うよう、ときには鉛筆をなめて答えを出すこともあるとのこと。

金融工学は精緻な計算で成り立っているようで、いい加減な部分もあるんですね。

理論が現実においては厳密に成り立っていなくても、辻褄が合う限りは問題なし。
ただ、リーマン・ショックというのは上手くいかなかった事例の一つのようです。

現代ファイナンス理論をめぐっては、実に滑稽な論争が一部に見られる。理論はあくまで現実を理解するために単純化したものであるはずなのに、その理論が100%正しいのか、それとも完全に間違っているのか、どちらかにきめつけたがっているように見えるのだ。でもそういう意味での論争は不毛だ。
(引用元:現代ポートフォリオ理論全史 P275-276)

効率的市場仮説などの理論が生まれたことで、間違いなくプラス効果もあって。
例えばリスクについて、ざっくり数値化できるようになったのも事実。

理論の限界はどこにあって、理論がカバーできない部分をどう補うか。
理論はあくまでツールであって、その本質を理解してどう活用するか。

そういった視点が大事なのだなと感じました。

リーマン・ショックの解説が分かりやすい

本書の第4章では、リーマン・ショックに至るまでの概略を述べています。
いわゆるサブプライムローン問題に端を発した、2008年の一大事です。

当時、社会人2年目だったワタシは日本経済の冷え込みを肌で感じていました。
日経平均株価は下がり続け、不動産やゼネコン業者の倒産が相次ぐ異常事態。

世界同時不況の火種が金融の分野でどう燻り、そして火を噴いたのか。
とても分かりやすくまとまっていて、素直に勉強になりました。

サブプライムローンの証券化問題って、こういうコトだったのだなと。

バタフライ効果というキーワードも、事例を通じてよく理解できました。

知っておきたい行動ファイナンス

様々な心理バイアスがある、というのは何となく知っていました。

人間心理というのは、どうしても偏りがちになってしまう。
それにより経済的な行動パターンにも歪みが生じていく。

これを分析するのが行動ファイナンスという分野です。

損失回避傾向などによる、プロスぺクト理論。
ブームに乗りたくなる、バンドワゴン効果。

行動ファイナンスを知ると、様々な歪みが起こる理由が分かります。

投資家が常に合理的に判断できないからこそ、理論通りにはいかない。
そう考えるだけでも、相場変動というのは面白いなと感じます。

心理バイアスは、気がついたらすぐに直せるちょっとしたクセというようなものではなく、心理構造の奥深いところに、いうならば本能に根づいているものなのだ。それは無意識のうちに人の判断を導く。しかも、自分がバイアスにとらわれていることに人は気がつかない。だからこそバイアスは消えない。
(引用元:現代ポートフォリオ理論全史 P201)

行動ファイナンスって、本当に面白い分野ですね。
より深く知ってみたいなと思いました。

中立な立場で語られている良書

効率的市場仮説やランダムウォーク理論は、インデックス投資本でもよく出てきます。
理論の概要はだいたい知っていましたが、理論が生まれた背景や歴史は知りませんでした。

また、現代ファイナンス理論が金融の実務でどのように使われてきたのか。
理論への反対意見にはどのようなものがあり、理論の限界はどこにあるのか。

こうした視点で考えたことは無かったので、本書を通じてとても勉強になりました。

著者は特定の理論に拘っていない印象で、中立な立場で書かれています。

インデックス投資本の多くは、良くも悪くも特定の理論に偏りがち。
本書は、ファイナンス理論を冷静に俯瞰できる点で素晴らしいです。

本書の特徴は、おそらくここに集約されているのではと感じます。

本書には細かい数式などは一切出てきません。
ファイナンス理論を体系的に理解するのに、最適な書籍です。

一般的な投資本には無い学びが、そこにはあると思います。
気になる方はぜひ、手に取って読んでみてください。

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青井ノボルです。 大変お久しぶりとなりましたが、元気に生きています。 約1年間、ブログの更新を止めていた期間はというと。 特段の理由は無いのですが、投資から離れていました。 家族との時間を過ごし、サラリーマンとして仕事して。 趣味で息抜きしつつ、家事をこなすという平穏な日々。 子...

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