2018年9月2日日曜日

「投資家が「お金」よりも大切にしていること」(藤野英人著)

青井ノボルです。

つみフェス2018で、投資初心者向けおススメ本ランキングという企画がありました。
堂々の第1位は、水瀬ケンイチさんのお金は寝かせて増やしなさいです。

そのランキングで、第4位に入っていたのが本書。
ひふみ投信でお馴染みの藤野さんが書いた本です。

お金とは、会社とは、経済とは、投資とは何なのか。
日本人にありがちな偏見にも、ズバリと切り込みます。

この記事では、「投資家が「お金」よりも大切にしていること」を読んだ感想を書いていきます。

日本人特有のお金の固定観念

本書は第1章から、日本人とお金の歪んだ関係について指摘します。
「日本人は、お金が大好きで、ハゲタカで、不真面目」とのこと。

この文字だけを見ると違和感があるかもしれませんが、読むと納得します。

特に、日本人は自分のお金を守ることに執着するという指摘。
よく考えてみると、確かにその通りだなと感じました。

現預金の保有率が高く、また元本保証が好きですよね。

第2章でも、清貧が良しとされる日本の文化について触れています。
そうやって考えてしまう癖のようなもの、確かにある気がします。

日本で普通に生まれ育つと持ってしまうであろうお金の固定観念
なぜこうした偏った思考に陥るのか、大枠を掴めた気がします。

社会の幸せは自分の行動から

藤野さんの考え方は、非常にユニークで共感できるなと感じました。
特に、社会と個人の関わりに対する考え方には学びが多いです。

ワタシが印象に残ったのは、このフレーズ。

自分たちの社会を幸せにするかどうかは、大部分は私たちの行動によるのです。
(引用元:投資家が「お金」よりも大切にしていること P106)

「ありがとう」には「ありがとう」が返ってくる。
こちらが怒りの感情で接すれば、怒りが返ってくる。

まずは、一消費者である自分からプラスの感情で対応する。
周囲にプラスを波及させる、合理的な経済行動でもある。

怒りの感情を露わにしても、決して良いことなどありません。
自分からプラスの連鎖を起こす、という心持ちでありたいですね。

真に必要な金融教育

労働の意義や会社の本質について知ること。
金融教育において、これが重要だと指摘しています。

会社はひとつの生き物であり、別の言い方では法人です。
多様な人間の集合体でもあるため、生態系とも捉えられます。

会社というのは、お金をチャリンチャリンと生み出す機械ではありません。
そこでは意志のある人が働き、価値ある労働の先に企業の利益があります。

どんな会社も、何らかの価値があるから存在できています。
そして、必ず血の通った人間が関わっているものなのです。

こうしたことが理解できる金融教育こそ、必要なのでしょう。

投資はお金ではなくエネルギーのやり取り

投資とは何なのか、これは本書における最大のメッセージかもしれません。

投資とは、いまこの瞬間にエネルギーを投入して、未来からのお返しをいただくこと。
(引用元:投資家が「お金」よりも大切にしていること P193)

エネルギーを構成する要素のひとつが、お金だということです。
そして、最大のお返しは「明るい未来」だと言います。

壮大な理想論ではありますが、理想と現実の間を悩みながら進んでいけばいい。
現実には難しさもあるけど、理想があってこそ頑張れるし生きがいを感じる。

投資の第一歩は、人を信じられるかどうか
他人や社会を信じて、そこにエネルギーを投じて、明るい未来を作る。

こういう考え方は、とても素敵だなと感じました。

投資について考えさせられる良書

本書は、投資手法や理論というよりも投資の心構えを学べる書籍です。
ひとつの考え方として、筋が通っているし読みやすい内容だと思います。

働くとは何か、会社とは何か、投資とは何か。
大切な原点を見つめ直す契機となる、良書だと思います。

長期投資を続けるためにも、本書のメッセージは重要です。

明るい未来を信じて、自分から一歩を踏み出せるかどうか。
胸に手を当てて、改めて考えてみるのも良い気がします。

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