2018年4月6日金曜日

教育費を投資に頼るのは危うい選択だと思う

青井ノボルです。

人生の三大支出とも言われる教育費は、子供1人あたり1,000万円以上かかると言われています。

少子高齢化社会の日本では、子育て支援策充実の動きはあるものの、きちんと整備されているとは言えません。
子供の教育費は各家庭が自己責任で用意しておくべき、という考えが半ば常識となっています。

さて、子供を育てるのに必要とされる教育費、どのように準備すれば良いでしょうか。
ジュニアNISAなどで投資するという選択肢もありますが、ワタシには危うい選択に映ります。

教育費の特徴を整理したうえで、投資に頼るのは危険だと考える理由を書いていきます。

高校までの学習費総額を確認

教育費は子供の進路によって、必要となる金額が大きく異なると言われています。
国公立に通えば比較的費用を抑えることができて、私立だと高いのが一般的です。

ここで参考になるのが、文部科学省の平成28年度子供の学習費調査のデータです。

学習費総額というのは、「学校教育費」「学校給食費」「学校外活動費」の3つを合算した金額です。

「学校教育費」には授業料をはじめ、教科書代や通学交通費、制服費などが含まれています。
「学校給食費」は読んで字のごとくです。
「学校外活動費」は学習塾代、家庭教師代、習い事の月謝などが含まれています。

いわゆる学費(授業料)以外も含まれているので、かなりリアルな金額だと思います。

さて、ケース1から6まで幼稚園~高校までの平均的な学習費総額の調査結果を見ていきます。

学習費総額が最も低いケース1では、オール公立約540万円となります。
幼稚園・小学校は年間20~30万円前後ですが、中学・高校は年間40~50万円前後。
公立とはいえ、進学するにつれて支出金額が多くなることが分かります。

学習費総額が最も高いケース6では、オール私立で約1,770万円です。
オール公立のケース1と比較すると、1,000万円以上の差となっています。

調査結果を見る限り、公立と私立で学習費総額に大差がつくのは小学校です。
小学校6年間で約700万円、年間で約120万円、月々約10万円もの差があります。

学習費総額の内訳をみると、学校教育費(学費など)の差が年間約80万円、学校外活動費(学習塾代など)の差が年間約40万円。
小学校から私立を選択する場合、相応の教育費負担を覚悟しなければいけないですね。

我が家で考えると、小学校から私立コースは残念ながら論外です。
費用負担は勿論ですが、小学校受験をする必要性は低いと考えます。

公立小学校のなかで、色んな個性に揉まれたほうが良いだろうと思っています。

大学には進学してほしい

教育費は高校までで終わるかというと、現実はそうもいきません。
専門学校、高専、大学といった進路を歩む可能性が極めて高いです。

子供の自主性や意志を尊重するのであれば、あわゆる進路を想定する必要があります。

大学進学には費用が掛かりますが、個人的には絶対に経験すべき4年間だと思います。
勉強をするのは勿論大事ですが、それ以上にキャンパスライフをエンジョイすべきです。

人生最大のモラトリアム期間である大学生活、楽しまないのは絶対に損だと思います。
勉強するのも大事ですが、サークルなり部活なりに夢中になれる学生人生を送って欲しいです。

遊びが上手くできる人間に育てば、社会人生活も楽しく過ごせる可能性が高まります。
給与収入を得るためだけにサラリーマンを続けるのは苦痛以外の何物でもありませんからね。

夢中になれる仕事に就くことはもちろん、仕事以外にも生き甲斐を見い出せると良いと思います。

社会人になった後にしっかり稼ぐ前提はありますが、大学は奨学金を借りてでも進学すべきです。
学歴が重要視されない世の中とはいえ、新卒時にある程度のポジションにいれば、転職の可能性も広がります。

勉強だけじゃない人生を経験して、人生を豊かにするためにも、大学に進学して欲しいと願っています。
子供が夢中になれる何かを発見できるのであれば、高専や専門学校という選択も勿論アリです。

教育費負担が重くなるのは大学から

話が少し逸れてしまいましたが、高校卒業後の教育費はどれくらい掛かるのでしょうか。

自宅通学か下宿かによって大きく金額が異なりますが、いずれにせよ多額の費用が掛かるのは間違いないです。

4年生私立大学で下宿の場合、年間で約200万円が掛かることになります。
国公立の4年制大学でも、下宿であれば年間150万円前後かかります。

法律や会計などの専門職学位課程であれば、これ以上の支出を覚悟しなければなりません。

年間200万円という金額になると、家計のやり繰りだけでは正直厳しいかと思います。
共働きを前提としても、ギリギリ大丈夫かどうかというレベルです。

子供の幼少期から計画的に貯蓄をするなど、キチンと備える必要がありそうです。

教育費は投資に頼るべきではない

教育費、特に高校卒業後の教育費支出は大きな金額になることが分かりました。
高校卒業後にピークを迎える教育費に対して、どのように備えるべきでしょうか。

ここで重要なのは、教育費はある一定期間に大きな金額が必要となる点にあります。

老後資金のように、徐々に取り崩しながら使っていく資金ではありません。
子供が一定の年齢に達した際に、一気に支出する可能性が高いということです。

と考えると、ジュニアNISAなどで投資をして教育費に充当するのはリスクが高いと考えます。

インデックス投資などの長期投資は、資本主義の持続的成長に期待してバイ&ホールドで資産を大きくすることを目指します。
短期的なボラティリティ(市場価格変動)は許容することとして、増やしたリスク資産を徐々に取り崩すのが大前提です。

ある決まったタイミングでリスク資産を売却する場合、そのタイミングで大暴落が起こったとしたら、損益率がマイナスとなる可能性を否定できません。
取り崩しのタイミングより前に、リスク資産の割合を減少させるという考え方もありますが、その期間中に市場価格が低迷を続ける可能性もあります。

そのため、ある一定期間に大きな金額が必要となる教育費を、投資に頼るのはリスクが高いと言わざるを得ません。

そのときに準備できる金額の範囲で、子供の進路を限定させるという考え方もあります。
資金不足があれば奨学金を借りて進学するという選択も、現実的には必要かもしれません。

それでも、大学や専門学校への進学は、可能な限り子供の意思を尊重してあげたい。
教育費が足りないから希望する進路を諦めるという事態にはしたくないワケです。

そう考えると、少なくともワタシには、教育費を投資に頼るのは危うい選択に映ります。

ジュニアNISAは教育費準備には馴染まない

ジュニアNISAの制度自体は、非課税期間も長いですし、とても良い制度だと思います。
子供に長期投資のチカラを実感してもらうため、勉強ツールとしても活用できそうです。

ただ、教育費を準備するために、投資をしてリスク資産の値上がりを期待するのは禁物です。
「増えていたらラッキー」くらいの感覚で投資するのはアリですが、当てにはできません。

そう考えると、「ジュニアNISAでインデックスファンドを買い、市場平均リターンで運用して教育費を準備しましょう」とはならないと思います。

学資保険が良いのか、個人向け国債が良いのか、預金が良いのか。具体的な選択肢は改めて考えることとして。

子供の教育費は、リスクを抑えた運用あるいは無リスク資産で備えたいと、改めて考えたのでした。

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